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骨粗鬆症の患者さんのためにAdvice

Ⅰ.はじめに

 骨粗鬆症は昔は病気の中に入らず、年寄りの生理現象の一つとされていました。然し、平均寿命が女性86才、男性79歳の超高齢化社会となった今、骨粗鬆症がある為に、大腿骨頚部骨折や圧迫骨折等で寝たきりになる人が増加し、注目を集める病気の一つになりました。
 特に閉経後の女性には、気付かないうちに骨粗鬆症が忍び寄り、60才過ぎると50%は骨粗鬆症と言われています。当院では、積極的に骨粗鬆症の検査をし、該当すれば治療をしましょうと呼びかける事にしています。

Ⅱ.どんな病気か

 骨粗鬆症は痛くも痒くもありません。骨の中のカルシウムが少なくなり、骨の密度が(すくなく)になり、大根に例えれば、とうがたってパサパサになり()がほげた状態を言います。
 この様な状態では、骨が弱くなり、少しよろけた程度の衝撃で大腿骨頚部骨折(ふともものこっせつ)脊椎圧迫骨折(せぼねのこっせつ)橈骨末端骨折(てくびのこっせつ)等起す事があり、又次々と骨折が重なり、寝たきりになる事があるという、恐ろしい病気に位置づけられています。

Ⅲ.なぜ・原因は?

 骨は鉄筋コンクリートの柱の様に、強く、変わることなく家(体)を支え続けるものとお考えでしょう。実は骨は、リモデリングと言って、見えない所で常に骨の破壊(破骨細胞)と再生(骨芽細胞)が行われ、変化していって、約3ヶ月で生まれかわっているのです。それが見えるのが、骨折の時の骨芽(ほねをつくる)細胞の働きで、新しい骨が出来て骨折が治る事です。平常は破骨細胞と骨芽細胞のバランスがとれているのですが、骨を壊す(破骨細胞)勢いが強い時や、骨を造る(骨芽細胞)勢いが弱い時にバランスが崩れて、骨粗鬆症が起こって来ます。



Ⅳ.正しい姿勢

 X線検査及び骨密度(骨のカルシウム量)検査を行います。その検査も足のかかとや手首の所で測る方法がありますが、正確さに欠けるとされています。
正確を期する為、脊椎骨(せぼね)や、大腿骨(ふともものほね)を直接測る方法が正確とされています。
当院は此の方法で測定しています。

Ⅴ.治療法

①薬による治療

飲み薬と注射とあります。骨を壊す働き(破骨細胞)の力を弱める薬、骨を造る働き(骨芽細胞)を元気づける薬の
二種類あります。注射も飲み薬も投与方法がいろいろあり、毎日一回、一週間に一回と、一ヶ月に一回やその他色々な方法があります。それぞれ、どれを使うかは、診察時によく話合いましょう。

②自分で出来る予防とは

※体をよく動かす
骨にはメカニカルストレスが必要です。それは骨にかかる力の事で、重力と筋力が大きな役目をしています。年を取ったからと言って、家でゴロゴロテレビの番では駄目です。掃除、洗濯、その他探せば色々することはあるもので、体をしっかり動かし骨の力や筋力を使いましょう。





※屋外に出ましょう
家の周囲を散歩したり、公園に遊びに行っ たり、 ゲートボールをしたり、色々と屋外の 楽しみを見つけましょう。その事により、骨を 強くするビタミンDが自然に作られます。 色々運動をした人と、何もしなかった人との骨粗鬆症になる割合を調べて、明らかな 差がでた研究もあります。
          


※転ばない様に
 骨粗鬆症は骨が(もろく)くなっていますので、「たったそれ位」という軽い転倒や衝撃で骨折が起きます。何をするにもゆっくり、(あわ)ててはいけません。足元にちょっとでも不安があれば、見栄を張らずに、杖でも、手押車でも使い、まずは転ばない事です。
 バランス機能を高める為に、片足で一分間づつ立つ練習を、左右交互に三回づつ、一日三回位行えば、バランスが良くなり、転倒予防に効果的です。

Ⅵ.食事療法

 食事はまず楽しい雰囲気で食べることが大切です。老人はあっさりしたものが好きで、偏(かたよ)った食事になりがちです。その上、年齢が高くなるとカルシウムの吸収が悪くなり、カルシウム不足になり易くなります。
 先ず牛乳やチーズ、ヨーグルト等の乳製品が腸からの吸収が良く、効果的です。豆腐やみそ汁等々、色々ありますが診察の時、詳しくお話しましょう。



 

(2015.04)


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