骨粗鬆症は昔は病気の中に入らず、年寄りの生理現象の一つとされていました。然し、平均寿命が女性86才、男性79歳の超高齢化社会となった今、骨粗鬆症がある為に、大腿骨頚部骨折や圧迫骨折等で寝たきりになる人が増加し、注目を集める病気の一つになりました。
特に閉経後の女性には、気付かないうちに骨粗鬆症が忍び寄り、60才過ぎると50%は骨粗鬆症と言われています。当院では、積極的に骨粗鬆症の検査をし、該当すれば治療をしましょうと呼びかける事にしています。
骨粗鬆症は痛くも痒くもありません。骨の中のカルシウムが少なくなり、骨の密度が
この様な状態では、骨が弱くなり、少しよろけた程度の衝撃で大
骨は鉄筋コンクリートの柱の様に、強く、変わることなく家(体)を支え続けるものとお考えでしょう。実は骨は、リモデリングと言って、見えない所で常に骨の破壊(破骨細胞)と再生(骨芽細胞)が行われ、変化していって、約3ヶ月で生まれかわっているのです。それが見えるのが、骨折の時の
X線検査及び骨密度(骨のカルシウム量)検査を行います。その検査も足のかかとや手首の所で測る方法がありますが、正確さに欠けるとされています。
正確を期する為、
当院は此の方法で測定しています。
①薬による治療
飲み薬と注射とあります。骨を壊す働き(破骨細胞)の力を弱める薬、骨を造る働き(骨芽細胞)を元気づける薬の
二種類あります。注射も飲み薬も投与方法がいろいろあり、毎日一回、一週間に一回と、一ヶ月に一回やその他色々な方法があります。それぞれ、どれを使うかは、診察時によく話合いましょう。
②自分で出来る予防とは
※体をよく動かす
骨にはメカニカルストレスが必要です。それは骨にかかる力の事で、重力と筋力が大きな役目をしています。年を取ったからと言って、家でゴロゴロテレビの番では駄目です。掃除、洗濯、その他探せば色々することはあるもので、体をしっかり動かし骨の力や筋力を使いましょう。
※屋外に出ましょう
家の周囲を散歩したり、公園に遊びに行っ たり、 ゲートボールをしたり、色々と屋外の 楽しみを見つけましょう。その事により、骨を 強くするビタミンDが自然に作られます。 色々運動をした人と、何もしなかった人との骨粗鬆症になる割合を調べて、明らかな 差がでた研究もあります。
※転ばない様に
骨粗鬆症は骨が
バランス機能を高める為に、片足で一分間づつ立つ練習を、左右交互に三回づつ、一日三回位行えば、バランスが良くなり、転倒予防に効果的です。
食事はまず楽しい雰囲気で食べることが大切です。老人はあっさりしたものが好きで、偏(かたよ)った食事になりがちです。その上、年齢が高くなるとカルシウムの吸収が悪くなり、カルシウム不足になり易くなります。
先ず牛乳やチーズ、ヨーグルト等の乳製品が腸からの吸収が良く、効果的です。豆腐やみそ汁等々、色々ありますが診察の時、詳しくお話しましょう。
(2015.04)
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